志田龍太郎

東京大学修士→30代セミFIRE元数学教諭(麻布高など指導)/アクチュアリー数学と統計検定1級(2024年に再挑戦)/数検1級→高3・漢検1級→教諭時代に合格/ブログ+SNS運営/現在逆手懸垂の訓練中/AmazonAssociates連携

2024/1/21

f検定とウェルチの検定などを用いて母平均の差の区間推定を行う5つの流れ

今回は2つの母集団について扱います。3つ以上の母集団については分散分析の話になり難易度が上がるため、また後日に取り上げていこうと思います。 今回はどのようなことを調べていくのですか? 2つの母集団の母平均の差の区間推定を行います。そのときの区間推定の手法は複数あり、どのような時にどの手法を用いるか?に関して場合分けが生じます。 https://twitter.com/nananairu7/status/1748627440103276553 母平均の差の区間推定にはいろんな種類がある 母分散が等分散か?に ...

2024/1/18

二項分布の母比率の区間推定で信頼区間を求めるときに精密法でF分布を用いる理由と正規分布を用いた近似法の計算式を丁寧に解説

本記事はアクチュアリー数学で最も難易度が高い公式である二項母集団の母比率(母百分率や母不良率ともいう)の区間推定の解説をします。難易度が高いため、F分布の内容をおさえた上でお読みください。 https://www.muscle-castle.com/f-distribution-expected-value-variance/ 今回はF分布がメイン級の扱いです 二項母集団の母比率の区間推定では近似法と精密法があります。 精密法は公式がたくさんありすぎて、丸暗記をするのはとても難しいです。何か覚え方のコツな ...

2024/1/17

ポアソン分布の母平均の区間推定で信頼区間を求める精密法と近似法をわかりやすく解説

区間推定はこれまで2つ学習しました。まずは正規分布の母平均と母分散の区間推定、次に指数分布の母平均の区間推定です。このうち正規分布の方は初歩的な内容で、指数分布の方は統計量の従う確率分布のところでカイ2乗分布が登場して難易度が上がりました。 指数分布の区間推定では打ち切りの関係で3パターンに分けましたよね。最尤推定量がわかれば信頼区間がわかるところが感動しました。 今回のポアソン分布の区間推定では、別の観点から2パターンに分けて考えます。 ポアソン分布の母平均の最尤推定量 https://www.musc ...

2024/1/15

指数分布の母平均の区間推定の信頼区間の出し方を3パターン(打ち切り)にしてわかりやすく解説

寿命などでよく用いられる指数分布の母平均μの区間推定について解説します。機械の故障問題などでも指数分布は用いられるので、指数分布の母平均の区間推定はとても実践的な話題です。 この記事では指数分布のいろいろな性質は学習済みとしています。未学習の場合は、次の記事をご覧ください。 https://www.muscle-castle.com/exponential-distribution-expected-value-variance/ 指数分布の性質を深く解説しています この記事の最後ではひょっとすると信頼区 ...

2024/1/15

正規分布の母平均と母分散の区間推定の仕組みを最尤推定量と不偏推定量を用いて4つの例題でわかりやすく解説

統計学のメイン部分の区間推定について解説していきます。点推定では区間推定の信頼区間の作り方の方法をわかりやすく説明するため、最尤推定量と不偏推定量についても解説します。 まず信頼区間の作り方の概要を提示します。信頼係数はすべて1-εで統一します。 信頼係数1-εの信頼区間の作り方(『統計学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール113』を参考)1.母集団のパラメータを用いて標本の統計量の分布を作る(この統計量をどうするか?がかなり大事!)2.確率1-εとなる統計量の範囲を求める3.統計量の実現値が入るとし ...

2024/1/12

F分布(表)の意味と自由度からベータ分布との関連を徹底的に理解する方法

標本分布の代表例としてカイ2乗分布→t分布と学んできました。そしてついにこの流れでのラスボスのF分布に突入します。 カイ2乗分布は標本の偏差平方和が従う分布でt分布は標本平均を不偏分散で標準化した値が従う確率分布でしたね。 F分布とは標本分散の比が従う分布のことで、F分布を用いると分散分析(実験計画法へと続くので奥が深い)が可能となります。(『統計学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール113』より) これら3つの分布(カイ2乗分布、t分布、F分布)を学べば推定・検定の内容が理解できますので一緒に頑張り ...

2024/1/11

t分布の自由度が変わる理由を正規分布との違いによる根拠をわかりやすく説明し期待値と分散が存在しない標準コーシー分布とコーシー分布を解説

正規分布で出てきた中心極限定理(CLT)を覚えていますか? このようなものでしたよね! 中心極限定理の例 https://www.muscle-castle.com/standard-normal-distribution-normal-distribution-expected-value-variance/ 中心極限定理の前提はもっと広いです! 期待値と分散を持つ同一の確率分布からの標本の和は正規分布に近づいていくという内容が中心極限定理でした。 しかしここで分散(標準偏差=σ)がわからない場合は、困 ...

2024/1/9

ベータ分布をメインに順序統計量を多項分布から導出しディリクレ分布へと応用(期待値と分散も導出)

カイ2乗分布を終えたので次はt分布へと進むつもりでしたが、このtweetのように考えてt分布へと進む前にベータ分布を先に学ぶ方が良いと思いました! https://twitter.com/nananairu7/status/1742559799730987133 カイ2乗分布の次にベータ分布を学ぶ理由 確かに!一般的な参考書ではカイ2乗分布の次はt分布へと進みますけど統計検定1級の受験者に1番人気の『現代数理統計学の基礎』などの参考書ではカイ2乗分布はt分布よりずっと前で解説されていますからね。何か意図が ...

2024/1/2

カイ2乗分布の意味とは?期待値と分散の計算をしヘルマート行列を用いて標本平均と標本分散が独立になることを説明

この記事は『統計学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール113』などで書かれているカイ2乗分布が持つ意味を説明するために書きました。カイ2乗統計量が標本分散の定数倍に等しいことを順を追って導いていきます。標本という概念がところどころに登場しますので徐々に慣れていきましょう。 正規分布から導かれる分布について考えていきます。カイ2乗分布やt分布やF分布がありますが、この記事ではカイ2乗分布を扱います。 正規分布の記事を未読の方はこちらをご覧くださいね。 https://www.muscle-castle. ...

2024/1/2

故障率から考えるワイブル分布を初心者にもわかりやすく説明しレイリー分布との関係について解説

偶発的に起きるイベント間隔を表現する分布で指数分布を学びましたが、指数分布はよく使われますが欠点があります。 どのような欠点ですか? 指数関数はイベントが偶発的に起こる(故障率が一定)仮定で用いますが世の中には故障率が一定となる事柄は少ないです。 https://www.muscle-castle.com/exponential-distribution-expected-value-variance/ 故障率一定の分布が指数分布 故障率が減少関数の場合と故障率が増加関数の場合は、それぞれ製品の初期不良、 ...