アクチュアリー数学で必要な公式を過去問をベースに総整理しました。なお公式は『アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 数学 第2版』を元にしております。本書はアクチュアリー数学受験のバイブルで受験者は必携の書です。
各章では分野ごとに最もベストな教材を紹介しております。
アクチュアリー数学:確率分野
組み合わせの関連公式
まずは組み合わせ関連の公式を一気に解説します。

上の公式の大統領問題を一般化させると次のPとCのコンボの公式が導かれます。

次にホッケースティック恒等式を導出します。

アクチュアリー数学の参考書に証明までは載っていませんでしたが追記しました。数式だと抽象的ですが、パスカルの三角形を持ち出すと単純なお話になり、外側のラインから対角線に下ろした数字(二項係数)を止まるまで全て足して、止まった箇所の右下が和に相当しているということです。
過去問を解く際に以下のヴァンデルモンドの恒等式も知っておくべきだと思い追記します。

負の二項定理
次は負の二項定理で序盤の難所です。

個人的に負の二項分布は覚えにくく体系立てて整理してみました。ご覧ください。

積分公式

離散型確率分布



ファーストサクセス分布と離散一様分布はやや似ています。n個のものから当たりの1つを当てるまでの試行回数をk回とするとき、前者は復元抽出で、後者は非復元抽出で行うときの試行回数kが従う分布となります。




連続型確率分布


積率母関数はベタベータのαと覚えます。

ガンマ分布のキュムラントの導出を行なっておきます。マクローリン展開がポイントです。


標準正規分布表を用いて偏差値について大体の数値がわかります。
X=50+10Z(Z~N(0,1))のとき偏差値Xがa以上の確率は順に、
65→7%,70→2%,75→0.6%,80→0.1%,90→0.003%,100→3・10^(-7)%です。



アクチュアリー数学では公式としてこれを覚えていないといけないのでF分布の分散の覚え方を教えます。というかGeminiさんがなかなかのインパクトのある覚え方を教えてくれました。


コーシー分布では期待値が存在しないため中心極限定理の利用はできませんが、2つのパラメータに関して再生性は持ちます。さらに特異的な性質として標準コーシー分布の独立なn個の標本における標本平均も標準コーシー分布に従います。

また標準コーシー分布の絶対値を利用してバーゼル問題を解くことができます。

またコーシー分布はルーレット問題とも関わりがあります。

次はベータ分布関連です。


しっぽ定理と高次モーメント

テイル確率には一般化が存在します。





条件付き確率と多項分布


3つの性質の証明は次のようになります。

全期待値の公式は上で証明済みなので、全分散公式を証明しておきます。

次に上の3つの例を証明します。最後の負の二項分布の問題は結論ありきの証明のため難易度が高いのです。



多項分布関連の公式の証明を載せます。

確率の有名問題


ポーカーの問題の解き方もまとめておきます。

さらに次の一様分布に関係のあるBuffonの針の問題にも要注目です。

一様分布



変数変換

ただし一様分布系の問題は次のように考えるとスムーズになる場合が多いです。

中心極限定理と多変量正規分布
誤差の問題は、中央値から幅の半分を両端に持つ一様分布を考えます。
多変量正規分布について頻出度は低いですが念のためまとめます。






アクチュアリー数学:統計分野
順序統計量とベータ分布



上の公式において指数分布の箇所を隣り合うを考えたものは次になります。

点推定

イェンセンの不等式は下記になります。この不等式は純粋数学でも多用されます。例えば確率関数をP(X=k)=1/n(k=1,…,n)とおき、g(x)=-log(x)とおきイェンセンの不等式を適用するとn変数の相加相乗不等式が得られます。


区間推定









統計的検定

イェーツの補正を行うとカイ2乗統計量の値を小さくすることになり、棄却されにくくなるわけです。
尤度比検定

有限母集団




層別抽出法に関する証明も行っておきます。

またQC検定1級の範囲になってしまいますが、関連公式として2段抽出法の公式もあります。

無限母集団の場合は、MとNを無限にすればOKです。また、M=mの場合は層別サンプリングで、N=nの場合は集落サンプリングとなります。
標本分布論
アクチュアリー数学:モデリング分野
回帰分析



時系列解析









覚えようとしましたが、結局覚えにくい式ですので、素直に導いた方が安全です。
確率過程

シミュレーション





アクチュアリー数学で必要な公式を過去問をベースに総整理しましたがいかがでしたでしょうか。なお公式は『アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 数学 第2版』を元にしております。本書はアクチュアリー数学受験のバイブルで受験者は必携の書です。
試験直前に見直して合格を目指しましょう!


















