勉強

統計検定準1級でワークブックで解けない難易度の過去問などを解説(論述あり)

2024年4月12日

志田龍太郎

東京大学修士→30代セミFIRE元数学教諭(麻布高など指導)/アクチュアリー数学と統計検定1級(2024年に再挑戦)/数検1級→高3・漢検1級→教諭時代に合格/ブログ+SNS運営/現在逆手懸垂の訓練中/AmazonAssociates連携

統計検定準1級に合格するためには公式参考書である『日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック』と過去問演習が必須です。

統計検定2級は過去問が解ければほぼ受かるのに対して準1級は様子が異なるのですね!

まずは合格者の方々がおっしゃっている意見をまとめておきます。

統計検定準1級合格者の多くの方は「過去問よりもまずはワークブックをしっかり!」というアドバイスが目立ちますのでまずはワークブックを1周しましょう!
統計検定準1級では「過去問はワークブックの定着度の確認という位置付け」です。

過去記事でワークブックの例題と問題についてはすべて解説していますので、ご覧ください。

統計検定準1級ワークブック第1部→確率と確率分布
統計検定準1級ワークブック第2部→統計的推測
統計検定準1級ワークブック第3部→多変量解析法
統計検定準1級ワークブック第4部→種々の応用

本記事では統計検定準1級の過去問を解説していきます

統計検定準1級の過去問の問題は過去問集『日本統計学会公式認定 統計検定 準1級 公式問題集』をご覧ください。統計検定2級までとは違い、準1級の過去問は1冊で入手することができます!

どのような問題を取り扱うのですか?

合格に必要な問題を効率よく学習することをモットーに考えて次のような選考基準を行います。

①ワークブックを1周しただけだと解けない難易度の問題
②統計検定が公式で扱っている問題

②については過去問よりも広い意味で考えています。

実は統計検定準1級が開始される2015年6月になる前に、公式から「準1級はこのような問題が出ますので解けるようにしてくださいね」という意図で紹介された例題集があるのです。この例題集を最古の過去問という扱いで古い年度から過去問を解説していきます。

現在の統計検定準1級はCBT方式で論述問題がなくなりました。そのため記事前半では選択問題と部分記述問題に絞って解説していきます。
記事後半では論述問題(難易度は統計検定準1級のcbt合格レベルより上です)を扱います。

僕は統計検定準1級に合格する前は論述問題対策はノータッチでした。

統計検定準1級:例題集(選択問題と部分記述問題)

統計検定準1級の例題集

準1級例題集はもう手に入らないのですか?

大丈夫です。入手できます。『日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2012~2014年]』の最後の章にしっかりと掲載されているのでご安心を!

問3(1)2変量正規分布

行列を用いた解法

問8:ウェルチの検定の自由度

ウェルチのt検定とステューデントのt検定との比較の問題

問9:中心極限定理とデルタ法

カイ2乗分布と正規分布の関係

問10:ウィーナー過程

ウィーナー過程と2変量正規分布

問12:相関係数

相関係数の難問

問13:ペリオドグラム

ペリオドグラム

問14:実験計画法

ブロックの問題

問15:パス図

パス図のルール

問16:ギブス・サンプリング

平方完成のコツ

問17:判別分析(線形判別・2次判別・SVM・最近隣法・決定木)

判別分析の各手法の特徴

統計検定準1級過去問:2015年(選択問題と部分記述問題)

問4(4)条件付き期待値

解き方を忘れやすい条件付き期待値の問題

問6:不完全データ

MAR

問9(1)回帰分析

対数正規分布

問10:DW比

DW比(AR(1)過程の誤差項)

問11:直交計画表

直交計画表

問12:オッズ比の信頼区間

オッズ比の信頼区間
観測度数の定数倍

問15:重回帰分析

xに相当する量を考える

問16:主成分分析

主成分負荷量の値の意味
主成分得点の計算

統計検定準1級過去問:2016年(選択問題と部分記述問題)

問5(1)検出力

検出力

問6:単回帰分析

自由度調整済み決定係数とDW比

問7:フィッシャーの3原則

局所管理

問9:分散分析

点推定値

問10:条件付き独立

ベイズの定理

問12:混合分布

混合分布の形
E-step,M-step
E-step,M-stepの概要
E-step,M-stepの計算

問13:標本調査法

期待値とネイマン分配の近似

問14:判別分析

LDA,SVM
交差検証法
正準判別分析

統計検定準1級過去問:2017年(選択問題と部分記述問題)

問6:多項分布

多項分布と共分散

問7:分散分析

検出力の考察

問8:コクラン・オーカット法

コクラン・オーカット法

問12:ブートストラップ法

ブートストラップ推定値と区間推定

問13:2-means法

2-means法
2-means法

問14:回帰診断

回帰診断

対数関数のマクローリン展開まで持ち出さないとできないので、何かうまい方法はないのですか?

公式の模範解答は次のようになっています。原題は日本を指し示す点を選べなので、見かけ上の直線を持ち出す方法が使えます。

素晴らしいですね!これでこの問題は30秒くらいで解けるようになりましたね!笑

別解

統計検定準1級過去問:2018年(選択問題と部分記述問題)

問1(2)ベイズの定理

3つの場合の考え方

問2:確率分布の難問

標本の数に注目

問3:判別分析

多項式カーネル

問4:分割表と母比率

母比率の差の検定

問6:混合正規分布

混合分布

問7:クラスター分析

ウォード法

問8:時系列解析

2018年の中での最難問

問9:クラメールの連関係数と主成分分析におけるバイプロット

0.1は無関係と判断します

問10:正規化

分散とスパース性で判断していく

問11:因子分析

バリマックス回転の特徴

統計検定準1級過去問:2019年(選択問題と部分記述問題)

問3:検出力

検出力

問5:後ろ向き研究

相対リスクとオッズ比

問6:AICとBIC

BICのモデル同定の一致性

問7:共役事前分布

逆ガンマ分布

問8:Lasso回帰

L1正規化の後は階段状のグラフになる

問9:ウィーナー過程

モーメント推定

問11:確率推移行列

最尤推定

統計検定準1級過去問:2021年(選択問題と部分記述問題)

問2(3)漸近正規性

漸近分散

問3:3変量正規分布

3変量正規分布

問4:重回帰分析

残差を考える
尤度
F分布との関係

問6:判別分析

固有値問題

問8:検出力

検出力

問9:因子分析

逆転項目

問10:スペクトル密度関数

MA(1)
AR(1)
共分散
ユール・ウォーカー方程式

問11:確率的勾配降下法

確率的勾配降下法

最後の問題は公式本『日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック』にはない内容で難しいですね!

統計検定準1級の最高難易度は2021年度の過去問です。

公式の過去問集『日本統計学会公式認定 統計検定 準1級 公式問題集』で問題を参照しながら理解を深めていきましょう!

以上になります!一緒に復習して統計検定準1級の合格を目指していきましょう!

統計検定準1級に合格するためにはpbt時代の論述問題対策は不要です!

統計検定準1級過去問(論述問題)

統計検定1級対策の準備段階として統計検定準1級のpbt時代の論述問題を解説します。

例題集:問1

ファーストサクセス分布
微分法を用いた級数の導出
一般のKについての問題なので異なる見方で考える。オイラー定数γが背景に潜む

例題集:問2

DW検定
DW比の近似
弾力性
モデル選択

例題集:問3

リスク比とオッズ比
デルタ法は平均値周りの1次展開から導ける
リスク比の区間推定
リスク比をオッズ比で近似する際の注意点

2015年度:問1

状態空間
遷移図
推移行列P
Pの2乗の意味
固有値1の関係を見抜くと計算を短縮できる
定常分布

2015年度:問2

重回帰分析
対数変換と弾力性
t値にも注目する
恒等式の利用
モデルが等しいということ
パラメータの係数の意味を追う

2015年度:問3

分割表
点推定と区間推定
ダミー変数の意味
(2)の応用
前半部
後半部(前半部からこの方法でも良い)
(1)と同じ数値
分割表の意味

2016年度:問1

ポアソン分布への当てはめ
当てはめの根拠
期待度数
実際の計算
ワークブックに類題あり!
プールするかしないか
除外するかの判断

2016年度:問2

単回帰分析
残差平方和
重回帰分析
残差平方和
モデル選択

2016年度:問3

因子分析
フルモデル
グラフィカルモデル
制約条件
逸脱度
逸脱度の自由度
セルの期待度数
補間法
逸脱度の自由度が増えるとは
補間法
条件付き独立の意味

2017年度:問1

主成分分析
標本分散共分散行列の見方
主成分の意味
区間推定
モデル選択

2017年度:問2

ポアソン過程
ポアソン分布の意味
定常増分性の確認
条件付き期待値
モーメント法

2017年度:問3

分散分析
直交表
交絡
2因子交互作用
分散分析表
有意の意味
交絡

2018年度:問1

因子分析
母相関行列
偏相関係数
推定値として利用してよいか
一致推定量の意味
無相関の場合の条件付き期待値の利用法

2018年度:問2

プロビットモデル
限界効果
トービットモデル
モデル選択

2018年度:問3

分散分析
乱塊法
乱塊法の利点
右側は平均値の表
平方和の計算
分散分析表
有意性と無視
ブロック因子と最適水準の注意点

2019年度:問1

分散分析
制約条件
F検定
正規化
検定の多重性の問題

2019年度:問2

条件付き独立
グラフィカルモデル
グラフ作成
計算量について

2019年度:問3

判別分析
二次判別分析
SVM
二次判別分析を使うべき時

2021年度:問1

マルコフ性とマルチンゲール
マルコフ性を持たずにマルチンゲールでもない例
マルコフ性を持ちマルチンゲールである例
マルコフ性を持たずにマルチンゲールである例

2021年度:問2

共役事前分布
ベータ二項モデル
事後モード
MH法
正規正規モデル

2021年度:問3

回帰直線
条件付き期待値
欠測データ
疑似的データ
m番目以降が疑似的データ
条件付き期待値
推定量の比較
argmin

統計検定準1級の論述問題の解説は以上になります。

明らかに統計検定準1級のcbt試験よりも難しいですね笑

統計検定準1級のcbt対策にpbt時代の論述の過去問対策は不要です!論述問題対策は統計検定1級対策の1部として使用するのがベストな選択肢です!

統計検定準1級は『日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック』が最も大事な教科書です。何回も反復して合格をしましょう!

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