統計検定1級の統計数理対策として、久保川先生の白本と青本を勉強してきました。
しかし近年の統計検定1級では初見色が強い問題傾向が見られます。そのため合格者の方々から支持がある黒木先生の『数理統計学』をしっかりと学んでいきたいと思います。
仮設検定の手続きの概要
ステップ1:帰無仮説を設定します
ステップ2:有意水準を設定してαとし検出力1-βで帰無仮説を棄却するのに必要なサンプルサイズを計算します
スタップ3:データを採取します
ステップ4:データから検定統計量およびp値を計算します
ステップ5:p値がα以下であれば有意水準αで帰無仮説を棄却し、そうでないときは帰無仮説を棄却しないと判定します
p値はサンプルサイズに依存するのでサンプルサイズの設計は大事です。また何の知見もなければp値それ自身が解析結果の重要性や帰無仮説の正しさを示すものではありません。
いくつかの検定統計量
t検定
1標本の母平均の検定、2標本問題の母平均の差に関する検定(対応がない場合)、2標本問題の母平均の差に関する検定(対応がある場合)の3つが取り上げられています。
1標本の母平均の検定

2標本問題の母平均の差に関する検定(対応がない場合)

2標本問題の母平均の差に関する検定(対応がある場合)

F検定

尤度関数に基づく検定統計量
ここでは以下の仮設検定問題に対して対数尤度関数に基づいて、スコア検定統計量(ランランジュ乗数検定とも言われます)、ワルド検定統計量、対数尤度比検定統計量を考えます。ただし対数尤度比検定のみ別の仮設検定の問題になります。
以下では統計量という言葉には未知数が入ってはならないのでθでなくθ_0が入ることになります。つまり帰無仮説のもとで考えています。

スコア検定統計量はスコア関数が漸近的に正規分布に従うことを用いた検定統計量です。

ワルド検定統計量は最尤推定量が漸近的に正規分布に従うことを用いた検定統計量です。

対数尤度比検定量については次の定理11.1が主張する結果に従います。



最後の方は標準正規分布に従う確率変数をZとしてZを用いて表現していった方が安全だと思いました。

区間推定
点推定量は確率変数の実数値関数であるので採取されるデータ・セットごとに値が異なるので、これらのばらつきを考慮できない問題›を解消するのが区間推定の考えです。


例11.1:信頼率1-αの信頼区間で最も狭いもの

仮設検定は特定の仮定(帰無仮説)のピンポイントな世界で確率を計算しますが、区間推定は真のパラメータがどこにあっても通用する一般論の世界で確率を保証しています。


| 項目 | 仮説検定(有意水準 α) | 区間推定(信頼率 1−α) |
| 前提とする世界 | ピンポイントな仮定の世界 (「μ =μ _0 である」と仮定) | 制約のない自由な世界 (真の μ は未知のままで OK) |
| 確率の対象 | 「もし μ = μ_0 ならば、こんなデータが出る確率は 5% 以下だ」 | 「真の μ が何であれ、区間が $\mu$ を含む確率は 95% だ」 |
| 役割 | 特定の主張(H_0)の成否を裁定するための基準 | パラメータの真の値の範囲を探索・評価するための基準 |


とても抽象的なので解説します。





サンプルサイズの設計




例11.2:標本調査
この問題は解説よりでしたので、統計検定1級の統計数理で出そうな形式に問題を改題します。







全体でのまとめです。

演習問題
問題11.1:クロス表

問題11.2:正規分布からの標本における母分散の信頼区間

問題11.3:指数分布のパラメータの信頼区間

問題11.4:一様最精密信頼区間



